防災ガイド/2026-09-07
停電への備え:最初の1時間、1晩、3日間で困ることと対策
停電は時間が経つほど困りごとが変わります。照明・情報・電源・冷蔵庫・トイレの順に、時間軸で必要な備えを整理します。
停電は「時間が経つほど困りごとが変わる」災害
停電の備えを考えるときは、「何が使えなくなるか」を時間軸で並べると抜けがなくなります。
最初の1時間:まず安全と情報
- 照明:夜間なら足元が見えないことが最初に困ることです。懐中電灯・ヘッドライトを寝室と玄関に1つずつ。スマホのライトは電池を消耗するので、最初の数分だけにします。
- 情報:停電の範囲と復旧見込みを知る手段が必要です。スマホの基地局は数時間〜1日程度のバックアップ電源しか持たないため、通信は徐々に不安定になります。手回し・電池式のラジオが確実です。
- 火の元:地震による停電なら、通電再開時の火災(通電火災)を防ぐため、ブレーカーを落として避難します。
1晩:暗さと暑さ・寒さ
- 部屋全体の明かり:懐中電灯は「点」しか照らせません。家族が同じ部屋で過ごすには、置き型のLEDランタンが1つあると精神的な安心感が大きく違います。
- 空調:夏は熱中症、冬は低体温症のリスクが一晩で現実になります。夏は充電式扇風機と水分、冬は毛布・アルミ保温シート・使い捨てカイロを。
- 冷蔵庫:開けなければ冷蔵室は2〜3時間、冷凍室は半日〜1日程度は保ちます。開閉を最小限に。
3日間:電源と水・トイレ
- スマホの電源:安否確認と情報収集の頼みの綱です。20,000mAhのモバイルバッテリーでスマホ約4回分。家族の台数と日数を掛けて足りるかを確認します。3日を超えるならポータブル電源の領域です。
- 水:マンションの多くは電動ポンプで給水しているため、停電=断水になります。停電時に水が出るかどうかは、建物の給水方式を管理会社に確認しておきましょう。
- トイレ:断水すれば水洗トイレは使えません。携帯トイレが1人1日5回分必要です。
- 調理:IH・電子レンジは使えません。カセットコンロがあれば温かい食事が作れます。
医療機器・在宅ワークがある家庭
在宅酸素、CPAP(無呼吸症候群の治療器)、電動ベッド、冷蔵保存が必要な薬(インスリンなど)がある家庭では、停電が健康に大きく影響します。
- 機器の消費電力(W)を確認し、それを上回る出力のポータブル電源を用意する。
- 医療機関・機器メーカーの停電時の連絡先を紙で控える。
- 自治体の個別避難計画の対象になっているか確認する。
在宅ワークで「仕事が止まると困る」場合も、ノートPCとルーターを1日動かすなら500Wh程度の電源で対応できます。
備えの優先順位
- 懐中電灯・ヘッドライト(人数分)
- 手回し/電池式ラジオ
- モバイルバッテリー(大人1人1個)
- LEDランタン
- 携帯トイレ・飲料水(断水対策)
- カセットコンロ
- ポータブル電源(停電への不安が高い、医療機器がある場合)
ポータブル電源は高額なので、まず1〜6を揃えてから検討してください。容量の選び方はポータブル電源の比較にまとめています。
停電を想定した診断は停電に備える防災診断から始められます。
主な参考資料
- 内閣府 防災情報のページ「災害の備え」
- 東京都「東京くらし防災」「東京防災」
- 農林水産省「家庭備蓄ポータル」
- 国土交通省「重ねるハザードマップ」