防災備蓄診断

公開 2026-09-08

ポータブル電源の選び方:容量・出力・充電方法の判断基準

ポータブル電源は「何を何時間動かすか」から容量と出力を逆算します。ソーラー対応、電池の種類、重さ、保証など6つの判断軸と、クラス別の選択肢の例をまとめました。

ポータブル電源は「何を何時間動かすか」から決める

ポータブル電源は容量クラスによって価格帯が大きく変わり、迷いやすい品目です。先に「停電のとき、家で何を動かしたいか」を決めると、必要な容量と出力がほぼ決まります。ここでは判断の軸を順に挙げ、それぞれの軸でどう見ればよいかを説明します。

判断の軸

1. 容量(Wh):動かしたい機器の消費電力×時間で逆算する

必要な容量は「消費電力 × 使う時間」で決まります

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機器ごとに必要なワットアワーの目安9WのLED電球を5時間で45Wh。冷蔵庫は401〜450Lで1日約800Wh、201〜250Lで1日約836Wh。LED電球 9W 5時間45Wh冷蔵庫 401〜450L 1日800Wh冷蔵庫 201〜250L 1日836Wh冷蔵庫を1日動かすだけで約800Wh。1,000Whクラスでも1日でほとんど使い切ります。
冷蔵庫は、カタログの4つの容量の区分のどれでも、1日におよそ760〜930Whを使います(2024年の平均)。スマホ・扇風機・医療機器などは、機器の表示(定格ラベル)の消費電力に使う時間を掛けて出してください。表示の容量はそのまま使えず、ある製品の公開仕様から逆算すると、取り出せるのは8割強です。

出典:経済産業省 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」p.69(冷蔵庫の定格内容積別の年間消費電力量の平均、2024年)、p.129(9Wの電球形LEDランプの例)をもとに編集部作成

容量はワット時(Wh)で表されます。機器の消費電力(W)に使う時間をかけると、その機器が使う電力量になります。たとえば9WのLED電球を一晩5時間つけると45Wh、冷蔵庫(定格内容積401〜450L)は1日で約800Whです(いずれも経済産業省 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2025年版」の値から計算)。スマートフォンや扇風機などは、製品の表示の値で計算してください。

  • 冷蔵庫まで動かしたいなら、1,000Whでも1日でほとんど使い切る
  • 医療機器や在宅ワークで長い停電を想定するなら、機器の表示の消費電力から日数分を計算し、ソーラーパネルでの充電も考える

カタログの容量は満充電時の理論値なので、表示どおりには取り出せません。ある製品の公開仕様から逆算すると、取り出せるのは8割強です(1000Whの記事)。

2. 出力(W):使いたい機器の消費電力を超えているか

定格出力が機器の消費電力を下回ると、そもそも動きません。電気ケトルや電子レンジは消費電力の大きい機器です。本体の表示の消費電力と、電源の定格出力を比べてください。医療機器(在宅酸素、CPAPなど)は機種ごとの消費電力を取扱説明書で確認してください。

3. 充電方法:ソーラーパネルに対応しているか

停電が長引くと、本体の残量だけでは足りなくなることがあります。日中にソーラーパネルで充電できるかどうかで、長期化への強さが変わります。パネルは別売りのことが多いので、対応するパネルの価格も含めて考えます。車のシガーソケットから充電できるかも、車がある家庭では見ておきたい点です。

4. 電池の種類とサイクル数

備蓄用途では、普段は使わずに置いておく時間が長くなります。電池の種類とサイクル数は、製品仕様の欄で確かめられます。長く置いておく用途では、サイクル数と保管方法の指示をあわせて見ます。

5. 重さと置き場所

1,000Whクラスは、日本の公式サイトで仕様を公表している5製品で約10.6〜12.9kgでした(2026年9月20日確認。1000Whの記事の表)。容量が大きくなるほど重くなるので、ほかのクラスは仕様表で確かめてください。持ち運びより「どこに置いて、どこまで延長コードを引くか」を先に決めたほうが現実的です。

6. 保証と安全に関する表示

保証期間(基本の年数と、延長の条件)と、電池の安全に関する第三者認証の記載があるかを確認します。長く保管するものなので、メーカーの問い合わせ窓口が国内にあるかも判断材料になります。

基準を満たす選択肢の例

順位ではなく、上の軸で分けた「クラス」の例です。どのクラスが合うかは世帯の状況で決まります。

クラス向いている状況見ておく点
500Whクラス1〜2人。照明とスマホに絞れば3日(大人2人の計算例)1,000Whクラスより軽い。冷蔵庫は半日ほど。調理家電は定格出力が足りるかを確かめる
1,000Whクラス照明・スマホ・ノートPCなど(大人2人で3日の計算例)選択肢が多い。冷蔵庫は1日でほとんど使い切る。約10.6〜12.9kg(5製品の公開仕様)
2,000Whクラス以上在宅医療機器がある。冷蔵庫を2日ほど動かしたい定格出力の大きい製品もある。使いたい機器の消費電力と比べる。拡張バッテリーで容量を増やせるものもある

具体的な製品は、上の軸を満たすかどうかを仕様表で確認して選んでください。このサイトでは実際に使用した感想は書いていません。

買う前の順番

ポータブル電源は高額なので、先に懐中電灯・ラジオ・モバイルバッテリーなど優先度の高いものをそろえてからで大丈夫です。停電への備え全体は停電への備えに、停電を想定した診断は停電に備える防災診断にまとめています。

1,000Whクラスについては、800Whで何が何時間動くかの計算と、メーカー4社の公開仕様を同じ項目で並べた一覧を1000Whのポータブル電源でできることにまとめました。半分の容量で足りるかどうかは500Whで足りる家庭・足りない家庭、ソーラーパネルを足すかどうかはソーラーパネルで本当に充電できるのかで判断できます。

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