公開 2026-09-11
手回しラジオの選び方:電池式との違いと、ライト・充電機能の判断基準
手回しラジオは乾電池式との使い分けが肝心です。ワイドFM対応、電源の数、内蔵充電池の寿命、ライトやスマホ充電にどこまで期待するかなど、7つの判断軸とタイプ別の選択肢の例をまとめました。
ラジオは「電池式が主役、手回しは予備」で考えます
停電が続くと、スマートフォンの電池は情報収集ではなく家族との連絡に使いたくなります。そんなときに、電気がなくても地域の状況を聞き続けられるのがラジオです。防災用として売られているものは手回し発電やライト、スマホ充電まで付いていて選びにくいので、ここでは判断の軸を順に見ていきましょう。
先に結論めいたことを書いておくと、手回し発電は「乾電池が尽きたときの予備」です。主役は乾電池で長く鳴らせること、そのうえで手回しが付いていると安心、という順番で考えると迷いません。
判断の軸
1. ワイドFM(FM補完放送)に対応しているか
電源は「乾電池が主役、手回しは最後の手段」
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出典:防災備蓄診断 編集部作成
AM放送は、鉄筋の建物の中やマンションの高層階では入りにくいことがあります。AM局の番組をFMの周波数でも流す、ワイドFM(FM補完放送)があります。総務省によると、ワイドFMを聞くには90.0〜99.0MHzに対応したラジオが必要です(2025年5月から、FMの周波数の範囲が99.0MHzまで広がりました)。受信できる周波数の範囲を、製品の表示で確かめてください。カタログでは「ワイドFM対応」と書かれていることが多い項目です。
2. 電源が何通りあるか
防災用ラジオの電源は、乾電池・手回し発電・USB充電・ソーラーの組み合わせが一般的です。優先度が高いのは、乾電池だけでも動くこと。乾電池なら買い置きができ、家族が誰でも交換できます。手回しとソーラーは、電池を切らしたときの二重の備えと考えると位置づけがはっきりします。
3. 手回し発電で「どれだけ聞けるか」を確認する
手回しで聞ける時間は製品ごとに違い、長くはありません。回す時間と聞ける時間を、製品の表示で確かめておきましょう。ずっと回し続けるのは思った以上に疲れますし、家族全員ができる作業でもありません。手回しは、必要な情報を短く確認するための機能と考えておくと、実際に使うときに落胆せずに済みます。
4. 乾電池の種類と、内蔵充電池の寿命
乾電池式なら、家にある懐中電灯と同じサイズの電池が使えるものを選ぶと、共用できて管理が楽になります。
内蔵の充電池は、使わずに置いておいても少しずつ劣化します。「手回し専用で乾電池は使えない」タイプは、いざというときに充電池が寿命を迎えている可能性があるので、乾電池も併用できるものが安心です。
5. ライト機能は「補助」と割り切る
ライト付きのラジオもありますが、明るさは製品ごとに違います。停電時の照明は停電への備えでも触れているとおり、懐中電灯やヘッドライトを人数分そろえるのが基本で、ラジオのライトは手元用の補助と考えましょう。
6. スマホ充電機能に期待しすぎない
USB出力が付いたモデルでも、手回しでスマートフォンを充電できる量はわずかです。スマートフォンの電源はモバイルバッテリーやポータブル電源で確保するのが現実的です。容量の考え方はポータブル電源の選び方にまとめています。ラジオのUSB出力は、あくまで最後の手段として見ておくとよいですね。
7. 暗い場所で操作できるか
停電の夜に、初めて触るつまみを手探りで合わせるのは大変です。周波数を数字で合わせられる選局ボタンがある、局を登録しておける、目盛りが大きくて見やすい、といった点は、高齢の家族が使う場合ほど効いてきます。防滴(IPX表示)があると、屋外や浸水時にも扱いやすくなります。
基準を満たす選択肢の例
順位ではなく、上の軸で分けたタイプの例です。どれが合うかは、置き場所と使う人で決まります。
| タイプ | 向いている状況 | 見ておく点 |
|---|---|---|
| 乾電池式のポケットラジオ | 持ち出し袋に入れる。1人1台持ちたい | 電池のサイズ、イヤホン端子の有無。手回しは付かない |
| 乾電池+手回し兼用モデル | 家に1台、在宅避難の情報源として | 乾電池で長く聞けることを先に確認。ライトとUSB出力は補助 |
| 手回し+ソーラー+USB充電の多機能モデル | 車載用や、電池を切らしがちな場合 | 内蔵充電池の寿命と、乾電池でも動くかを確認する |
順位付けはしていません。このサイトでは実際に使用していない製品の使用感は書かないことにしているので、最後は上の軸を仕様表で満たしているかどうかで選んでください。
買ったあとにやっておくこと
- 乾電池は本体と別に保管する。入れっぱなしにすると液漏れで本体を傷めることがあります。予備の乾電池を袋に入れて、ラジオと一緒の場所に置いておきましょう。
- 一度受信してみる。自宅で入る局と周波数を紙に書いて、ラジオに貼っておくと、暗い中で探さずに済みます。地域のコミュニティFMも確認しておくと安心です。
- 半年に一度、鳴らしてみる。電池の残量と手回しの手ごたえを確かめる機会にもなります。
わが家に必要な備えの全体像は、防災備蓄診断で数量まで出せます。停電を想定した備えを中心に見たい場合は、停電に備える防災診断から始めてみてください。
乾電池は本体とは別に、予備を袋に入れて同じ場所に置いておくと、いざというときに困りません。停電の夜に使う明かりはヘッドライト・ランタンの選び方、スマホの電源はモバイルバッテリーの選び方にまとめています。