防災備蓄診断

感震ブレーカーの後付け:工事なしで付くか、まず確かめる

地震で揺れたとき、自動でブレーカーを落として電気火災を防ぐ装置です。工事なしで付けられるものもありますが、自宅の分電盤とコンセントの条件しだいで、付けられる種類が変わります。買ってから付かないことに気づく人が少なくありません。

うちに付けられるのはどれ?

適合診断

8つの質問に答えると、付けられる種類と、その理由が出ます。わからない項目は「わからない」を選んでください。確認の仕方を出します。

1. お住まいは分電盤に手を加えてよいかが変わります
2. 分電盤(ブレーカーの箱)の形は玄関や洗面所の高いところにある箱です
3. 分電盤の真下に、たて6cm・よこ4cmの空きはありますかおもりが落ちる方式に必要です
4. 分電盤に漏電ブレーカーはありますか「漏電」と書かれた、少し大きめのスイッチです
5. アース付きのコンセントはありますか穴が3つ、または横に小さなフタが付いたコンセントです
6. 在宅で使う医療機器はありますか在宅酸素、CPAP、吸引器など
7. 夜に急に真っ暗になると危ない家族はいますか高齢の方、小さなお子さん、階段の移動がある方
8. 太陽光発電や家庭用蓄電池はありますか停電したときの動きが変わります

この条件で付けられるもの

  • 付けられます分電盤に貼るタイプ

    レバーがむき出しなら、貼り付けて使う器具をそのまま使えます。貼り直しができない製品が多いので、先に仮止めして動作を確かめてください。

  • 付けられます差すと家全体が落ちるタイプ

    条件を満たしています。差し込むだけですが、家全体が落ちる点は分電盤タイプと同じです。

  • 付けられます挿した機器だけ切れるタイプ

    壁にあるふつうのコンセントがあれば使えます。アースは要りません。家の照明は消えないので、電気ストーブや観賞魚のヒーターなど、火が出やすい機器のコンセントに使います。延長コードや電源タップには使えません。

  • 付けられます分電盤タイプ(工事)

    電気工事士による工事で設置できます。待機時間が3分あり、避難する時間をとれます。補助金の対象になりやすいのもこのタイプです。

選ぶときは、下の「種類ごとの違い」で、切れる範囲と待機時間を確かめてください。最終的に取り付けられるかは、製品の取付説明書で確認してください。

4つのタイプは、切れる範囲が違う

内閣府・消防庁・経済産業省の「感震ブレーカー等の性能評価ガイドライン」が定めている分類です。いちばん大きな違いは、家全体が落ちるか、その機器だけが切れるかです。

同じ「感震ブレーカー」でも、止まる範囲が逆になる

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遮断される範囲の違い左は家全体の電気が止まる図。右は挿した機器だけが止まり、家の照明は点いたままの図。家全体が止まる分電盤タイプ・簡易タイプ照明はついたままコンセントタイプ
コンセントに差すだけの製品にも、家全体が落ちるものと、その機器だけが切れるものがあります。商品名や販売ページの表記だけでは見分けられません。

出典:防災備蓄診断 編集部作成

タイプ別の違い。並びは切れる範囲の広い順で、おすすめ順ではありません。費用の目安は消防庁・国土交通省の資料の公表値です。
タイプ切れる範囲工事待機時間費用の目安
分電盤タイプ(内蔵型)家全体屋内配線を含む必要電気工事士3分(変更できる)5万〜8万円
分電盤タイプ(後付型)家全体屋内配線を含む必要電気工事士3分約2万円
簡易タイプ家全体既存のブレーカーを落とす不要貼り付け・差し込み製品による(なし〜3分)3千〜2万円
コンセントタイプそのコンセントだけ家の照明は消えない不要埋込型は工事が必要なし5千〜2万円

紛らわしいのは、コンセントに差すタイプ

コンセントに差すだけの製品には、動きが正反対の2種類があります。わざと漏電を起こして家全体を落とすものと、自分に挿した機器だけを切るものです。日本消防設備安全センターは前者を簡易タイプ、後者をコンセントタイプに分類していますが、商品名や販売ページの表記がこの区別に合っていないことがあります。

差すだけで家全体を落とすタイプには、アースが要ります

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コンセントの形と、擬似漏電タイプが使えるか穴が2つだけのコンセントでは使えない。穴が3つ、またはアース端子のフタが付いていれば使える。穴が2つだけ使えない穴が3つ使えるアース端子つき使える
アース線に擬似的な漏電を流して漏電ブレーカーを落とすしくみなので、アースがないと作動しません。あわせて、分電盤に定格感度電流30mA以下の漏電ブレーカーがあることも必要です。

出典:防災備蓄診断 編集部作成

分電盤の形で、貼れるかどうかが決まります

分電盤に貼るタイプは、メーカーが取り付けられないケースを公開しています。開閉器タイプには設置できず、メーカー自身が分電盤の交換を勧めています。

4つの形と、貼り付けタイプの可否

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分電盤の形と、貼り付けタイプが使えるかレバーがむき出しなら使える。樹脂カバー付きと金属扉は製品による。開閉器タイプは使えない。レバーがむき出し○透明カバー樹脂のカバー付き△金属の扉△開閉器タイプ×
○は貼り付けタイプを使えます。△は製品によります。×は取り付けられず、メーカーも分電盤の交換を勧めています。ふたを開けて、スイッチが並んだ面を正面から撮っておくと、売り場でも確認できます。

出典:防災備蓄診断 編集部作成

揺れてから電気が切れるまでの時間

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待機時間の違い待機時間なしのタイプと、3分の待機時間があるタイプの比較。揺れ待機なしすぐ切れる(おもり式・待機時間のないもの)3分あり明かりを確保する時間切れる分電盤タイプと、簡易タイプの一部は待機時間をとれます
待機時間があると、その間に明かりを確保したり避難の準備をしたりできます。待機時間のないタイプは、夜なら廊下も階段もすぐ暗くなります。

出典:防災備蓄診断 編集部作成

選ぶときに確かめること

試験区分は内閣府のガイドラインにある感震性能の確認方法です。標準試験は3つの波形、簡易試験は1つの波形で確認します。第三者の推奨を受けていないことは、性能が劣るという意味ではありません。このサイトでは、特定のメーカーや製品はすすめていません。

お住まいの自治体に補助があるか

消防庁の令和7年度調査では、13の都道府県と260の市区町村が購入費や設置費を支援しています。「買う前・工事の前」の申請を条件にしている制度があります。当サイトに載せた感震ブレーカーの制度でも、4割ほどが事前申請を条件にしています。先に買うと対象外になるので、 自分の自治体の順番は公式ページで確かめてください。

自治体のページを探すときは、「感震」の字で調べてください。「感電ブレーカー」と書かれることがありますが、当サイトに載せている2118件の制度の名称に「感電」表記は1件もありません。 字が違うと、制度があっても検索に出てきません。

感震ブレーカーの補助金がある自治体当サイトに270件を掲載しています。補助の対象になるタイプ、補助率、上限額、申請の時期を自治体の公式ページで確認して載せています。

制度の多い都道府県:静岡県 31件/東京都 27件/徳島県 21件/愛知県 20件/高知県 20件/和歌山県 19件/鳥取県 18件/滋賀県 15件/愛媛県 14件/香川県 11件

分電盤の工事を頼むとき

分電盤タイプは電気工事士の工事が必要です。当サイトは工事業者への紹介をしていませんし、紹介による手数料も受け取っていません。頼むときの確認のしかただけを載せます。

付ける前に知っておくこと

夜に停電すると、廊下も階段も暗くなります

内閣府のガイドラインは、待機時間のないタイプについて「夜間においては廊下・階段等を含めた照明が使用できず、加えて大きな揺れにより家具等が散乱していることも想定される」と書いています。停電したときに光る足元灯や懐中電灯、割れたガラスを踏まないためのスリッパを、あわせて用意してください。

在宅医療機器は、分電盤タイプでも守れません

ガイドラインは分電盤タイプについて「在宅用医療機器等、通電を継続する必要性の高い回線の確保はできない」と明記しています。医療機器を使っている場合は、挿した機器だけを切るコンセントタイプを選ぶか、停電に備えた電源を別に用意する必要があります。

電気が戻るときのほうが危ないことがあります

ガイドラインは復電のときに3つを求めています。ガス漏れがないことを確かめること、電気製品と配線の状態を確認すること、消火器を用意したうえで復電することです。焦げた臭いがしたら、すぐにブレーカーを落としてください。

よくある質問

「感電ブレーカー」「耐震ブレーカー」と書かれたものを見ますが、同じものですか?
同じ装置を指して使われていますが、正しい名前は「感震ブレーカー」です。感震は揺れを感じ取ること。感電は人が電気に触れて受ける事故のことで、この装置は感電を防ぐためのものではありません。耐震は揺れに耐えることで、この装置は耐えるのではなく電気を切ります。字の違いは自治体の補助金を探すときに効いてきます。当サイトに載せている制度の名称に「感電ブレーカー」という表記は1件もないため、自治体のページを「感電」で検索すると、制度があっても見つかりません。
感震ブレーカーの設置は義務ですか?
義務ではありません。2025年11月の火災予防条例(例)の改正で感震ブレーカーが明記されましたが、これは市町村が普及を進めるための施策で、住民に設置を義務づけるものではありません。
工事をしないで付けられますか?
付けられる製品があります。ただし条件があります。分電盤に貼るタイプはレバーがむき出しか、カバーを開けられる分電盤が必要です。コンセントに差して家全体を落とすタイプは、アース付きコンセントと定格感度電流30mA以下の漏電ブレーカーの両方が必要です。
うちにはもう付いていますか?
分電盤に「感震」と書かれた表示や、地震のマークが付いていれば内蔵型の可能性があります。2010年代後半以降に建てた家や、分電盤を交換した家では内蔵されていることがあります。分電盤のふたを開けて、型番をメーカーのサイトで確認するのが確実です。
在宅で医療機器を使っています。付けても大丈夫ですか?
内閣府のガイドラインは、分電盤タイプについて「在宅用医療機器等、通電を継続する必要性の高い回線の確保はできない」と明記しています。家全体が落ちるタイプは医療機器も止めます。挿した機器だけを切るコンセントタイプを電熱器具にだけ使い、医療機器には停電に備えた電源を別に用意してください。
感震ブレーカーを付ければ、ブレーカーを落とさずに避難していいですか?
いいえ。消防庁と国土交通省の資料には「感震ブレーカー等の設置の有無に関わらず、地震発生後に自宅から避難する際にはブレーカーを切ることも重要です」と書かれています。

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