公開 2026-10-25
防災用品の補助金の申請方法:買う前に申請する順番と、つまずきやすい条件
感震ブレーカーや止水板、家具の固定には市区町村の補助があります。多くは交付決定の前に購入・着工することが条件で、先に買うと対象外に。申請から入金までの順番と、予算切れ・回数の制限・対象外の費用など、つまずきやすい条件をまとめました。
補助金は「申請してから買う」が基本の順番
感震ブレーカーや止水板、家具の転倒防止器具は、市区町村が購入や工事の費用の一部を補助していることがあります。使えるなら使いたいところですが、調べ始めると、対象の品目も申請の期間も自治体ごとに違って、どこから手をつけるか迷いますね。
いちばん多いつまずきは、先に買ってしまうことです。多くの制度は、申請して交付決定の通知を受けてから購入・工事に進む形になっていて、順番が逆だと対象外になります。
多くの自治体は「買う前」に申請します
横にスクロールできます →
出典:防災備蓄診断 編集部作成
たとえば川崎市の簡易型の止水板の購入補助は、交付決定通知書が届く前に購入したものは対象外と公式ページに書かれています。平塚市の簡易止水板等の購入費補助は、先に「補助金交付申請予定届出書」を出して、市からの可否の連絡を受けてから購入する手順です。どちらも、買ってからでは申請できません。
ただ、全部の制度がこの順番というわけでもありません。二宮町の止水板等の購入費補助は、購入して保管したあとに申請する後払いの形で、申請の様式そのものが「交付申請書兼購入実績報告書」になっています。小田原市の感震ブレーカーの補助は、工事のいらないタイプなら年度の初めからの購入分をあとから申請できる一方、分電盤に取り付ける工事を伴うものは交付決定後に着工することが条件です。
つまり「補助金はこういうもの」と一般化しないことが、いちばんの近道です。買いたいものが決まったら、まずお住まいの自治体の公式ページで、申請と購入のどちらが先かを確かめてください。
何に補助が出ているのか
当サイトでは、神奈川県の市町村の制度を公式ページで確認して載せています(31市町村・66件)。区分ごとの件数は次のとおりです。
| 区分 | 件数 |
|---|---|
| ブロック塀の撤去・改修 | 29 |
| 耐震シェルター・防災ベッド | 16 |
| 感震ブレーカー | 8 |
| 止水板・浸水対策 | 7 |
| 家具の転倒防止 | 6 |
| 防災用品の購入 | 2 |
1つの制度が複数の区分に入ることがあるため、合計は66を超えます。並べてみると、補助の中心は家の工事や設備だと分かります。水や食料そのものを補助する制度はほとんどありません。
数は少ないものの、防災用品の購入を対象にする制度もあります。相模原市の防災用品購入費等補助事業は、感震ブレーカー・家具の転倒防止器具・消火器・住宅用火災警報器・災害用トイレ・ラジオ・防災用品セットの7品目が対象で、購入費の2分の1・上限1万円、上限内なら複数を合算して申請できます。開成町には、非常用持出袋の購入費の2分の1・上限3,000円という制度があります。
制度の一覧は防災の補助金・助成金にまとめています。神奈川県以外にお住まいの方は、市区町村の防災・危機管理の担当課、住宅や下水道の担当課のページを見てください。「○○市 止水板 補助」のように、自治体名と品目で検索すると見つかりやすいです。
つまずきやすい5つの条件
1. 予算に達したら、受付期間の途中でも終わる
当サイトに載せた66件のうち30件に、予算額に達し次第終了という記述がありました。受付の最終日まで待っていると、その年度はもう受けられないことがあります。年度の前半に確かめるのが安全です。
2. 回数の制限がある
1世帯につき1回、1棟につき1回、同じ人は再度受けられない、といった制限が付いているものが多いです。川崎市の止水板の補助は建築物1棟につき1回限り、相模原市の防災用品の補助は1世帯につき1回までです。家族の誰の名義で申請するかを先に決めておきましょう。
3. 対象にならない費用がある
本体の代金は対象でも、送料・運搬費・振込手数料は対象外という制度が目立ちます。通販サイトのポイントやクーポンで値引きされた分、フリマアプリや中古での購入、取り付け金具やネジ・電池などの消耗品が外れることもあります。補助額を税抜きの金額で計算する制度もあるので、見積書の段階で確認しておくと計算がずれません。
4. 「買う」ではなく「申し込む」形もある
横浜市の感震ブレーカーの事業は、自分で買って領収書を出す形ではなく、市が指定した品目から選んで申し込み、市から配送される方式です。大和市や秦野市の家具の転倒防止は、自分で取り付けるのが難しい世帯に、器具の取り付けそのものを支援する形になっています。補助金を探すつもりで調べて、現物の支給や取り付け支援が見つかることもあります。
5. 買ったあとも条件が続く
設置したものを一定期間は処分できない、という条件がよく付きます。神奈川県内では、3年・5年・6年・7年と制度ごとに年数が違いました。ほかに、市税や下水道使用料の滞納がないこと、工事は市内の施工業者に頼むこと、完了の報告を年度内に出すことなど、受け取ったあとの義務も決められています。申請の前に、要綱のこの部分まで読んでおくと安心です。
申請の前にそろえておくもの
- **自治体名と制度名で公式ページを開き、担当課に一度電話する。**対象の区域が限られる制度もあります。厚木市の止水板の補助は対象区域の地図が公開されておらず、該当するかは事前相談で判断されます。藤沢市も、区域内かどうかを先に担当課へ確認する形です
- **見積書と、カタログ・構造図などの仕様が分かる資料。**寒川町の浸水防止施設の補助では、メーカーの浸水防止効果証明書が必要です
- **写真。**設置する前の状態と、設置したあとの状態の両方を求められることが多いです
- **領収書の名義。**相模原市は、領収書やレシートの購入者名と申請者が同じであることが条件です。家族の別の人のカードで買うと、そこで止まります
- **期限。**交付決定の年度内に設置・支払い・報告まで終える必要がある制度が多く、年度末が近いと間に合わないことがあります
止水板そのものの選び方は止水板・水のうの選び方にまとめました。幅や高さの条件が制度側で決まっていることもあるので、仕様を見比べる前に制度の条件を読んでおくと二度手間になりません。
店舗や事務所がある場合
事業所が対象に入るかどうかは、制度ごとにはっきり分かれます。藤沢市の止水板設置工事の補助は、住宅のほかに共同住宅・店舗・事務所の所有者や管理組合も対象です。一方で寒川町は店舗を対象にしておらず、住居兼店舗の場合は住居部分への設置だけが対象になります。自宅と店舗が同じ建物にあるときは、どの部分への設置が対象になるのかを、申請の前に担当課で確かめておきましょう。
まとめ:次にやること
- 買いたいものを決めたら、買う前に自治体の公式ページで対象品目と申請の順番を確かめる(神奈川県は防災の補助金・助成金から)
- 補助の対象になっている品目が、自分の家で優先度が高いかどうかを防災備蓄診断で確かめる
- 迷うところがあれば、担当課に電話して、申請の時期と必要な書類を聞いておく
補助の金額や受付の期間は年度ごとに変わります。当サイトの一覧にも出典のURLと確認日を付けていますので、最後は必ず自治体の公式ページで確かめてください。
参考資料
- 相模原市「防災用品購入費等補助事業」
- 平塚市「平塚市簡易止水板等購入費補助金」
- 小田原市「小田原市感震ブレーカー設置費補助金」
- 各自治体の補助金・助成金の公式ページ(当サイトの補助金一覧に、制度ごとの出典URLと確認日を記載しています)