防災備蓄診断

公開 2026-10-13

冬の停電対策:暖房が止まった夜の寒さ対策と、温かいものを口にする手段

暖房が止まった夜は、熱をつくる前に逃がさないことから。過ごす部屋を1つに絞る、体に近いところから暖める、燃焼する暖房は換気と火の扱いを先に決める。カセットコンロでお湯を沸かす備えと水の量、水道の凍結と断水への備えまでまとめました。

冬の停電でまず困るのは、暖房が止まることです

夏の停電は暑さ、冬の停電は寒さが最初の困りごとになります。 エアコンも電気ストーブも、石油ファンヒーター(送風に電気を使う機種)も、電気が止まればそこで動かなくなります。

大雪や暴風雪のあとの停電は、復旧の作業そのものが雪で進みにくく、一晩で終わらないこともあります。 寒さへの備えは、冷え込んでから慌てて探すよりも、気温が下がりきる前のいまのうちに形にしておくほうが落ち着いて選べます。

停電そのものへの備え(照明・情報・電源)は停電への備えにまとめています。 ここでは「暖房が止まった夜をどう越すか」に絞って書きます。

熱をつくる前に、熱を逃がさないほうが先です

暖房器具を増やす前に、いまある熱を逃がさない工夫のほうが、手間もお金もかからず効きます。

  • 過ごす部屋を1つに絞る:家族が別々の部屋にいると、それぞれを暖める必要が出てきます。日が落ちる前に、一番狭くて窓の少ない部屋に集まりましょう。
  • 窓を覆う:熱の多くは窓から逃げます。カーテンを床に届く長さのものに替える、厚手のカーテンを二重にする、夜は雨戸やシャッターを閉める。段ボールや梱包用の気泡シートを窓に当てるだけでも違います。
  • 床からの冷えを切る:座る場所・寝る場所の下に、敷物や段ボール、防寒・保温シートを敷きます。冷たい床に体をつけたままにしないのが大事なところです。
  • 使わない部屋のドアを閉める:廊下や使わない部屋との間を閉めておくと、暖めた空気が逃げにくくなります。

体のほうを暖める順番

部屋全体を暖めるのは電気や燃料が要ります。停電の夜は、体に近いところから順に考えると効率がよくなります。

  1. 重ね着:薄手のものを重ねて、間に空気の層をつくります。首・手首・足首と頭を覆うと、体感はかなり変わります。帽子やネックウォーマー、厚手の靴下を備えに入れておきましょう。
  2. 使い捨てカイロ:おなかや背中、腰に当てます。肌に直接貼らない、寝るときに貼ったままにしない、という使い方の注意は説明書のとおりに。家族の人数×日数で多めに置いておくと安心です。
  3. 湯たんぽ:お湯が沸かせるなら、電気を使わずに朝まで暖かさが続きます。タオルや布で包んで、同じ場所に長く当て続けないようにします。
  4. 毛布・寝袋・防寒シート:寝るときは、かけるだけでなく下にも敷きます。防寒・保温シートは薄くて軽いので、人数分を備えに入れておくと置き場所に困りません。

燃焼する暖房を使うときは、換気と火の扱いを決めておく

電気がなくても使える暖房(石油ストーブ、カセットガス式のストーブなど)を備えるなら、使い方を先に決めておきましょう。

  • 換気:燃焼する器具を室内で使うときは、一酸化炭素への注意が必要です。消費者庁と製品評価技術基盤機構(NITE)は、停電時に発電機を室内や車庫で使って一酸化炭素中毒になった事故を繰り返し知らせています。暖房器具も同じ考え方で、取扱説明書に書かれた換気の方法を守り、窓を開ける間隔を家族で決めておきます。
  • 寝るときは消す:就寝中は換気も火の管理もできません。寝る前に消し、湯たんぽや寝袋で朝までをしのぐ形にします。
  • 燃料の保管:灯油やカセットボンベは、説明書にある場所と量の範囲で、暖房器具とは別に置きます。
  • ろうそくは明かりに使わない:消防庁消防研究センターは、停電時のろうそくなどの裸火が火災につながった例を報告しています。明かりは懐中電灯やLEDランタンにしましょう。

温かいものを口に入れる手段

寒い夜は、温かい飲み物や食べ物があるだけで体も気持ちも落ち着きます。電気の調理器具は使えないので、カセットコンロとボンベが頼りになります。

ボンベの目安は1人1週間で約6本です(農林水産省)。4人家族で3日分なら11本ほどになります。 お湯が沸けば、汁物や温かい飲み物、湯たんぽまで一通りまわせます。 飲料水と調理用の水は1人1日3Lが目安です。寒い時期は汗をかかないので水分をとる量が減りがちですが、量は季節で減らさずに備えておきましょう。

水まわりは、凍結と断水の両方を見ておく

冬は停電に水の問題が重なりやすい時期です。気温が下がる予報が出たら、水道管の凍結への備え(露出した管を保温材や布で覆う、夜間に少量の水を出しておくなど、お住まいの水道局の案内に沿って)を先に済ませておきます。

断水したときの水の使い分けと、携帯トイレの必要数(1人1日5回分が目安)は断水への備えにまとめました。暖房のことを考えるときに、あわせて見ておくと抜けがなくなります。

店舗・事務所の場合

人を預かる場所では、従業員やお客さまがその場にとどまる時間が長くなることがあります。 暖房が止まったときに配れる毛布や防寒シートを人数分、使い捨てカイロを箱で置いておくと、判断に余裕が生まれます。 燃焼する暖房を備える場合は、換気の手順と「寝るときは消す」を、その場にいる人が誰でも分かる形で貼っておきましょう。

まとめ:いまのうちにやること

  1. 冬の夜を過ごす部屋を1つ決めて、カーテンと床の敷物を見ておく。
  2. 防寒・保温シートを人数分、使い捨てカイロを人数×日数分、備えに加える。
  3. カセットコンロのボンベの本数を数え、1人1週間6本の目安に足りているか確かめる。

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